2020年 Flash終了へ
Adobe(アドビ システムズ社)は2020年12月31日にFlashのサポートを終了すること発表した。
Flashは、動画、アニメーション、ゲーム、音楽再生など、あらゆる種類のメディアコンテンツを先導し、現在のWeb標準へ多くの影響を与えてきた。そのようなFlashが終了となる背景にはどのような要因があったのだろうか。
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Flash終了へ
Flashとは
Flashとは、Adobeが開発提供する、動画、アニメーション、ゲーム、音楽再生などのコンテンツを制作するためのソフトウェアである。動きのあるWebサイト制作にむいていて、ファイルの容量が小さく、再生環境への依存度が低いことから広く使われてきた。特に動画配信の分野においては従来のストリーミング再生に替り、欠かせない技術のひとつとなっていた。
セキュリティ問題とスマートフォンの普及
Flashが衰退するきっかきになったのは、2010年にスティーブ・ジョブズ氏が発表した文書「Thoughts on Flash」が大きな要因と言われている。この文書ではFlashのセキュリティの脆弱性、タッチスクリーンの非対応、HTML5などの新しい技術の台頭など示唆されている。結果としてFlashはiPhoneに搭載されることはなく、世界中に拡大したスマートフォン市場の変化について行くことができなかった。
各ブラウザの対応
Flash終了の発表を受けて、各ブラウザもFlashへの対応を発表している。
Google Chrome
Flashの実行にユーザーの同意が必要になるように設定し、その後ディフォルトでFlashを無効化、2020年末にはFlashのサポートを完全に終了するとしている。また、今後Google検索ではFlashコンテンツが無視されることになる。
Mozilla Firefox
Flashの動作確認を求めるようにし、その後デフォルトでFlashを無効化、2020年末までFlashの利用は可能だが、Adobeのサポートが終了した後、利用不可能になる。
Microsoft IE/Edge
Flashの実行にユーザーの同意が必要となるよう設定し、2020年末にはFlashを実行できなくなる。
FlashからHTML5へ
2020年12月31日には完全にFlashが終了するため、次の技術に対応する必要が出てくる。そこで注目を集めているのがHTML5である。最新ブラウザでは、すでにHTML5の動画再生をサポートしている。また、YouTubeや FacebookなどもHTML5のVideoタグに移行を完了させているため、Web業界全体がFlashからHTML5に移行していると言ってよいだろう。
まとめ
FlashはWebの発展に大きく貢献した。2020年12月31にはFlashは終了し、その替りにHTML5などの新しい技術が進出するだろう。Flashを実装したWebサイトを所有している場合は、なるべく早めに対応することをおすすめする。
Adobeからはデザイナーや開発者向けの素晴らしソフトウェアが数多く提供されている。今後も最高のサービスを提供し続けてくれることだろう。
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アドビシステムズとは
Adobe Systems Incorporated(アドビシステムズ)は、1982年12月にジョン・ワーノックとチャールズ・ゲシキによって設立された、コンピュータ・ソフトウェア会社である。主に出版・印刷のデザイン・レイアウト、コンピュータグラフィック・デザイン用ソフトウェアを手掛ける。本社はアメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼ市、日本法人であるアドビシステムズ株式会社は東京都品川区大崎に所在する。
社名は、当時ロスアルトスにあったワーノックの自宅の裏を流れる22.9kmの小川AdobeCreekの名前からとったとされている。
創業当時にPostScript(ポストスクリプト)と呼ばれるページ記述言語を開発し、コンピュータやプリンタの機種の区別なく、文字や画像を数学的用語で記述することを可能にした。アップルコンピュータ(現Apple)では新しくレーザープリンターを開発していたが、高精度な印刷が出来ないことに悩んでいたスティーブ・ジョブズがこのページ記述言語の存在を知り、Appleのレーザープリンターに供給することを依頼する。Appleはポストスクリプトの最初のライセンス保有者となった。1985年にAppleはキャノンが開発したレーザープリントエンジンを使用したポストスクリプトプリンタ第1号LaserWriterを発売する。
1985年 PostScriptを発表。この頃の売り上げの大半はAppleからのライセンス使用料であった。
1986年 新規株式を公開。
1987年 PostScriptを元にした作図・描画(ドローイング)ソフトウェア Adobe Illustratorを発表。アプリケーションプログラムの販売に参入する。
1989年 Photoshopを発売。この頃までAdobeのビジネスは「紙に印刷すること」を目指していたが、動画編集ソフトウェアのPremiereの開発・発売、さらにAcrobat・PDFを開発することで、ビジネスの方向をデジタルデータのオーサリングに向けることになる。
1990年 デジタル画像修正(フォトレタッチ)ソフトウェアAdobe Photoshopを発売。同時期にAdobe Acrobat製品群を開発。PDF(ポータブル・ドキュメント・フォーマット)に変換した文書は、どのオペレーティングシステムでも無償のAcrobat Readerを使って書式タイポグラフィ、画像をほぼそのマッマの状態で読んだり印刷したりすることが出来る。
1994年 アルダスを買収する。After Effects、Persuasion、PageMakerと、後のInDesignの元となる技術と開発者を手に入れる。
2005年 競合会社であり訴訟合戦を繰り広げてきた、マルチメディア関連企業のマクロメディア社を買収する。
2009年 アクセス解析関連のマーケティングサービス会社であるオムニチュア社の全ての発行済み株式を普通株1株当たり現金21.50ドル支払うことにより取得する株式公開買付を実施、株式の希薄化後純資産約18億ドル相当の取引にて10月23日に買収を完了した。
2012年 月額課金制のAdobe Creative Cloudを発表。同時にパッケージソフトAdobe Creative Suiteの販売を中止すると発表(翌2013年に完全移行)。同年、Adobe Marketing Cloudの提供を開始する(2017年にAdobe Experience Cloudに変更)。
2016年 AI・機械学習のテクノロジーであるAdobe Senseiを発表する。